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昨日のBLOGと似たようなことを言っていたなあ

 昨日のBLOGを書いていて、「そういえば似たようなことを言っているなあ」と思い出したのは、『ハングリー』(講談社刊:2004年)の中に出てくる話だ。

 

『ハングリー』は、際コーポレーション(東京都)の中島武社長の自叙伝であり、2012年2月27日のBLOGでも紹介した。

 42歳。バブル崩壊によって、天文学的な数字の借金を背負った男が、外食ビジネスを徐々に軌道に乗せていくさまを描いている。

 

 著作の中で、筆者は金融屋時代の経験に則って、『万豚記』と『紅虎餃子房』の年利計算を試みている。

 

「500万円の投資で、月1000万円の回収ができたとして、年間で1億2000万円。利回りに換算すると、実に2400%にもなってしまうではないか!(中略)『嗚呼、オレはこれまで、なんと知恵のない仕事をしてきたのだ』(後略)」。(p109)

 

さらに筆者は飲食業(=実業)の楽しさについて活き活きと語っている。

 

「100円で仕入れたものを『加工』して、1000円で売ってもいい職業。(中略)皿1枚に載った料理の内容でなら、1兆円企業とでも1対1の勝負が張れる世界だ(後略)」。(p109)

 

「帰りがけにお客様が『いや、おいしかったよ』とか『いい店だね』と誉めてくださる。思えば、金融業時代の私に帰りがけに、『あんたの会社、いい会社だね』と言ってくれた客など誰一人いなかった」。(p110)

 

 不労所得や濡れ手に粟の商売などないことを改めて実感させられた。