米メジャーリーグのテキサスレンジャースは、金持ちだけどやっぱり田舎のチーム。日本のメディアはダルビッシュ有選手を追っかけまわして、ここぞとばかりに大量のニュースを流しているが、ダルビッシュ選手のアメリカのメディアでの露出度は低い。
むしろ同じアジア人ということでは、両親が台湾出身のある台湾系アメリカ人に話題が集中している。
ニューヨーク・ニックスの番号17。ジェレミー・リン(林書豪)選手である。
1988年生まれ。NBA(米国バスケットボール協会)では初の台湾系アメリカ人で、なんとハーバード大学を卒業している。
23歳、身長191cmの若者は2012年2月4日にニュージャージー・ネッツ戦(@マディソン・スクエア・ガーデン)で36分間出場すると、チーム最高の25得点に加え7アシストというパフォーマンスの高さを見せ、彗星のように登場。2月6日のユタ・ジャズ戦では初のスターターとして28得点、8アシスト。さらにワシントン・ウィザース戦では23得点、10アシストと初のダブル・ダブルを記録した。
2010~2011年シーズンでは、ゴールデンステート・ウォリアーズとヒューストン・ロケッツから解雇宣告を受けたのも今は昔。3月1日現在22試合の出場ながらも、ニューヨーク・ニックスの主要メンバーとしてオールスターゲーム(ライジング・スターズ・チャレンジ)への出場も決めている。
この大活躍、このスーパースターを”先物買い”の上手なナイキ社が見逃すはずもなく、さっそく、リン選手のバスケットボール・シューズを発売。一方、ニュース雑誌『タイム』誌は表紙で取り上げている。
アジア出身のNBAプレイヤーとしてすぐに思い出されるのは、“歩く万里の長城”として有名な姚明(ようめい)選手。229cmという恵まれた身長を活かして、現在もヒューストン・ロケッツに籍を置く。英才教育で育てられた姚明選手は中国での人気は絶大――。
台湾系の故にか、リン選手の出場試合は、いまのところ中国のテレビでは放送されていないようで、リン選手をめぐる中国と台湾のせめぎ合いも部外者としては興味の対象となる。
さて、ダルビッシュ選手は、リン選手の人気に勝てるか?
そこが私の注目ポイントだ。