取材をしていて実感するのは、経営者には実に色々なタイプがいる、ということだ。
分類方法には、さまざまな切り口があるけれども、「経営者がその企業において自分をどう位置づけているか?」という視点で見ていくと非常に面白い。
「(トップなのだから)自分が最も優秀である」と捉えている方がいる一方、「自分が一番優秀なわけではない」と考える方もいる。
その企業の人事を一定期間観察すれば、すぐに明らかになるところであり、前者は社内異動で人を充当し、後者は引き抜きや社外とのコラボレーションが多いという傾向がある。
そして、創業者の場合は、とかく前者になりがちだ。
しかし、後者型の経営者も皆無なわけではない。
企業を成長させようという強い思いは、どの方も同じなのだろうが、ある企業のトップがその企業で最も優秀であるという確率はそんなには高くない。
ということは、経営者は自らの限界を知り、自分をカバーしてくれる人材をスカウトまたは育成し、協働することを検討した方が得策ということになる。
(『チェーンストアエイジ』誌 2012年2月1日号)