その昔、「社長のように恰幅がいい」という言葉があった。
十分な栄養が行きとどかない一般人の食生活に対して、カネ持ちの社長はタマゴやステーキなど値段も滋養度も高いものを腹いっぱい食べており、大抵でっぷりとした風体をしていたものだからだ。
来日しているカネ持ちの中国人観光客を見れば、当時の状況は何となく理解できるだろう。
例外はあるというものの、いまや日本では形勢逆転。カネ持ちはどんどんスリムな体型になる傾向がある。
脱メタボ、健康維持のために、身体をスリムにキープするには、おカネと時間がかかるものだ。
逆に「貧乏ヒマなし」のたとえよろしく、あくせく働いている人は、運動する時間をなかなか確保できないもの。しかも、その分、ストレスで必要以上にモノを食う。
米国でも「富を独占している」と批判の矛先にいる1%の富裕層の平均的体型はスリムだ。その一方で、貧困層は肥満体型が多く、いまや「貧困」は「肥満」と同義語という見方もあるほどだ。
同じことは、アンチエイジングについてもいえる。
その昔には、アンチエイジングという言葉も概念もなかったが、いまはカネと時間のある人には、外見上の若さを保つ努力をするチャンスが与えられている。
さて、以前、このBLOGで、人間の生命の価値は等しくないと書いた。
http://diamond-rm.net/articles/-/4157
けれども、それは人間の生命に限ったことではないことが分かる。
「地獄の沙汰もカネ次第」。何でも平等というのも気持ち悪いものだが、嫌な世の中である