40歳前までは、マラソンレースの前日に浴びるような深酒をしても、寝不足でも、何のことはなく平然とゴールに辿り着くことができた。風邪っぴきで、レースの間中、ずっと「ゴッホン、ゴホ、ゴホ」と咳をしながら完走したこともある。
だから、仲間から「レース日の発走時刻にスタートラインに立てるように生活することが大事なんだよ」と言われても、正直なところ実感としては、良く理解できなかった。
ところが40歳を超え、45歳を超えてくると、さすがに若さと無鉄砲さだけでは、レースを乗り切れなくなってきた。
その日のために、ちゃんと練習を重ね、僅かながらでも体重の調整をするなど、身体をケアしないことには、立ち行かない。
それまで、どんなに体調が悪くても、そこそこのタイムで走りきれた20数キロは、それなりに整え、準備しなければ難しくなってしまったのである。
残念というよりは、これは自然の摂理。当たり前のことなのだろう。
英国では100歳のフルマラソン完走者が出たり、日本でも70歳以上でフルマラソンを完走する先輩方がたくさんいる。
そのことから言えば、マラソン界では、還暦なんてまだまだ“鼻たれ小僧”の部類だけれども、「ローマは1日にしてならず」。号砲に備えて、今年からは、私もしっかりと身体を管理したい。