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「通販・通教売上高ランキング」から

 通販新聞社(東京都/遊佐胖社長)の『週刊 通販新聞』は、2011年12月28日付けで、「通販・通教売上高ランキング」を発表した。
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 それによると、1位アマゾンジャパン(千葉県/ジャスパー・チャンCEO〈最高経営責任者〉)、2位ベネッセコーポレーション(岡山県/福島保社長)、3位アスクル(東京都/岩田彰一郎社長)、4位ジャパネットたかた(長崎県/高田明社長)、5位ニッセン(京都府/佐村信哉社長)、6位ミスミグループ本社(東京都/高家正行社長)、7位千趣会(大阪府/田邉道夫社長)、8位ジュピターショップチャンネル(東京都/篠原淳史社長)、9位大塚商会(東京都/大塚裕司社長)、10位ベルーナ(埼玉県/安野清社長)となっている。

 いまやネットスーパーやネット通販のブームで、製造業、卸売業、小売業のそれぞれが、通信販売事業に参入。これに既存の通信販売専門企業が相まって市場は百花繚乱の盛り上がりを見せている。

 リアル店舗を持つ小売業から参入して、ベスト40社にランクインしているのは、21位上新電機(大阪府/土井栄次社長)、23位日本生活協同組合連合会(東京都/浅田克己理事長)、24位ヨドバシカメラ(東京都/藤沢昭和社長)、29位イトーヨーカ堂(東京都/亀井淳社長)の4社だ。

 ここに名を連ねている企業名を見ながら、今後を展望してみると、圧倒的なシステム力の優位性を有するアマゾンジャパンを除けば、品揃え型の小売業はこの市場で勝ち残るのは難しい、ということだ。

 ナショナルブランド(NB)を仕入れて通信販売で提供しても、粗利益率は薄く、行く手に待ち受けるのは価格競争のみになるからだ。同一スペックの商品ならば「価格.com」などを使えば、簡単に比較購買することができる。

 そんな状況を勘案してか、これまで仕入れ・品揃え型の商売をしていたジャパネットたかたにしても、現在ではメーカーとのコラボレーションでオリジナル商品を製造して販売するようになっている。

 プライベートブランドの老舗である日本生活協同組合連合会は、いわずもがな。イトーヨーカ堂も、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)がグループを挙げて「セブンプレミアム」のプライベートブランドや総菜・弁当の開発に力を入れている。

「消費者の住居に近い店舗から加工食品や日用品を仕入れて届ける」という品揃え型のビジネスモデルは、限定的な立地ならば成立するかもしれない。

 しかし、同じ商圏に自社商品を持つ、同業態の企業が参入してきた場合には、価格でも収益性でも即座に劣勢を強いられることになることは一目瞭然だ。

 だから、仕入れ・品揃え型の企業は通信販売に参入するに当たっては事前に、よっぽど検討したほうがいいだろう。