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「ハイ&ロー」からEDLPへ

 これまで、多くの食品スーパー企業は、同業他社との圧倒的な差別化を図ることができず、同質競争の中で、特売とチラシを駆使して、粗利益率をミックスする価格政策「ハイ&ロー」をうまく活用して売上をつくってきた。

 しかし、「ハイ&ロー」は、結果として、消費者に不公平感をもたらすことが明らかになっている。特売日や特売時間に限って店に行けないヘビーユーザーは少なくないからだ。

 また、特売日を設けることは、それ用の商談をして、商品を掲載したチラシを制作し、新聞に折り込むとともに、特売用の売場をつくり、値札を変え、販売期間が終了すれば、また売場を元に戻すという労力とコストを小売業、卸売業、製造業に強いていた。

 こうした不公平感や労力・コストを考えると、特売とチラシを駆使する形の「ハイ&ロー」は、未来永劫続く政策のようには思えない。

 たとえば、販売促進手段であるチラシひとつを取っても、若者の新聞離れによって、継続性が危ぶまれる。
 

 一方、その代替策として、これから多くの小売企業が目指しそうなのが、EDLP(エブリデー・ロー・プライス:毎日低価格)、その前提条件としてのEDLC(エブリデー・ロー・コスト)だろう。

 実際に、いくつかの優良食品スーパー企業では、昨年あたりから部分的にではあるが実験をスタートさせている。

 また、米ウォルマート傘下の西友(東京都/スティーブ・デイカスCEO〈最高経営責任者〉)がEDLPを日本に導入して定着させつつあり、好調をキープしていることも方向転換を後押しするものと見られる。

 昨日のBLOGでも書いたように、どの企業にとっても価格政策は今年も大きなテーマになるはずだが、その内容は大きく変化する時を迎えていると言っていい。