政治、経済、国際、社会は、相変わらず混乱を続けており、安定と呼ぶにはほど遠い状況が続いています。
こうした時期に大事なのは、他人任せにしないこと、自ら動いて打開すること。ヨーゼフ・シュンペーターの唱えた「創造的破壊」が求められていると考えます。
ただ、その視点で流通業界を見回してみると、率先して自己否定とイノベーションを繰り返している企業の少なさばかりが目立ちます。
十年一日のごとく同じことに専心することは大事かもしれません。しかしそれでは現在のような出口なき閉塞感から抜け出すことは難しいでしょう。
イノベーションの代名詞と言うべき企業P&Gの売上を2倍、利益を4倍にしたA・Gラフリー元CEO(最高経営責任者)は「イノベーションは団体競技である」と言及していました。続けて「社員のモチベーションを挙げるには、強力なリーダーシップが必要」と語っています。
つまり、この閉塞感の打開は企業トップに負うところが大きいのであり、いまこそリーダーシップを発揮する時と言っていいのだと思います。
(『チェーンストアエイジ』誌2012年1月15日号)