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日本の流通業は、まだまだドメスティックだなあ

 世界最大のブランドコンサルティング会社のインターブランド社は、「ベスト グローバルブランド 2011」を発表した。グローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算して100位までをランク付けするもので、今年で12回めとなる。

 

 上位5社を列記していくと(順位、企業名、業種、ブランド資産価値、対前年度比の順)、

 第1位 コカ・コーラ 飲料 718億6100万ドル(2%増)

 第2位 IBM ビジネスサービス 699億500万ドル(8%増)

 第3位 マイクロソフト コンピュータソフトウエア 590億8700万ドル(3%減)

 第4位 グーグル インターネットサービス 553億1700万ドル(同27%増)

 第5位 GE 複数業種 428億800万ドル(増減なし)

 となっている。

 

 日本企業を見ると(50位以内)、

 第11位 トヨタ 自動車 277億6400万ドル(6%増)

 第19位 ホンダ 自動車 194億3100万ドル(5%増)

 第33位 キャノン 電気 117億1500万ドル(2%増)

 第35位 ソニー 電気 98億8000万ドル(13%減)

 第48位 任天堂 電気 77億3100万ドル(14%減)

 と続く。

 

 では、流通業と言えばどうなるだろうか?(100位以内)

 第6位 マクドナルド 外食 355億9300万ドル(6%増)

 第21位 H&M アパレル 164億5900万ドル(2%増)

 第26位 アマゾン インターネットサービス 127億5800万ドル(32%増)

 第31位 イケア ホームファニシング 118億6300万ドル(5%減)

 第44位 ザラ アパレル 80億6500万ドル(8%増)

 第62位 ケンタッキーフライドチキン 外食 59億200万ドル(1%増)

 第81位 ピザハット 外食 40億9200万ドル(3%増)

 第84位 ギャップ アパレル 40億400万ドル(2%増)

 第96位 スターバックス 外食 36億6300万ドル(10%増)

 である。

 

 インターブランド社は、①母国以外の売上比率が30%を超えていること、②少なくとも3つの主要な大陸に進出して新興国もカバーしていることをグローバルブランドの条件としている。

 

 そして、日本の流通企業が1社もランクインしていないということは、日本の流通業はまだまだドメスティックであることを意味しているわけだ。ただ、ここにきて海外進出に力を入れている企業も増えてきているので、今後、ユニクロやセブン‐イレブン、MUJIなどのランクインが待たれる。

 

 また、世界一の小売業のウォルマート(米)を筆頭に、カルフール(仏)、メトロ(独)、テスコ(英)などの総合小売業の名前がランク外であることも残念である。