京王電鉄(東京都/永田正社長)は、新宿―八王子を結ぶ京王線(37.9km)、渋谷―吉祥寺を結ぶ京王井の頭線など合計6路線を現有する電鉄会社。京王百貨店(東京都/山本敏雄社長)や京王ストア(東京都/内藤雅浩社長)などの流通業を事業会社として抱えているので、ご存知の方は少なくないだろう。
京王電鉄の企業モットーのひとつは、「沿線価値を高める」ことにある。
今後、都心を走る電鉄が大きく延線されることは見込めないだけに、従来からあるインフラとしての鉄道を軸に、「住んでもらえる・選んでもらえる沿線」づくりを目指している。
その特徴的な取り組みのひとつが「京王ほっとネットワーク」だ。
現在は、高幡店と桜上水店の2店舗を展開する。
主なサービス内容としては、
(1) 相談会・セミナー・京王それいゆ倶楽部
暮らしに役立つ様々なニーズに対応する各種相談会・セミナーを産・官・学の連携により実施する他、「京王それいゆ倶楽部」のサークル活動を実施
(2) 宅配サービス
京王ストアでの買い上げ商品を自宅へ配送(宅配料金:1件300円〈5,000円以上買上げの場合は無料〉)
(3) お手軽OAスポット
パソコン利用、インターネット、カラーコピーやパソコンからの出力、デジカメプリントなど仕事に役立つサービスを提供
(4) 住まいのサポートサービス
住宅のリフォームから、トイレ・洗面化粧台交換、畳・障子・襖の張り替え、庭木の剪定、引越し・不用品処分まで、「住まいの困った」に何でも応える
(5) ホームほっとサービス
水まわり掃除など日常清掃を主とした家事代行サービスで、主婦を中心とした家事経験が豊富なスタッフが対応
これだけバラエティに富んだサービスを京王グループの名のもとに、住民に提供している。食品スーパーもホームセンター、ドラッグストアなどもびっくりだ。
少子高齢化で市場が縮小する時代を迎えるに当たって、京王電鉄グループの取り組みはとても参考になる。
(『チェーンストアエイジ』誌2010年5月15日号で京王ストアの内藤雅浩社長のインタビューを掲載します)