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ある経営者の貪欲さと闘争心について

 数年前の春と秋、2度にわたってある経営者とハーフマラソン大会に出場した。

 

 春。結果は2時間4分。

 決して自慢できるような成績ではなかったが、初対決では私が約20分の大差をつけて圧勝した。もっとも、相手は初ハーフマラソン。10年以上のレースキャリアのある私が優位に立っており、当然と言えば当然の勝利だ。

 

 それから半年後の秋。結果は2時間7分。気候は最高、体調は万全の中でレースに臨み、まあ納得のリザルトだ。

 

 ところが、その経営者は、先にゴールして私を待っていた。1時間57分だという。

 目と耳を疑うとともに、私の完敗が確定した。

 ハーフマラソンで20分の差があれば、半年程度の短期間での逆転は不可能と高をくくっていたら、簡単にやられてしまった。

 

 周囲から漏れこぼれてきた情報によると、自宅でも、国内外の出張先でも早起きし、練習に励み、「マラソン中心の生活」を送っていたという。

 それ以降も、年に2度ほどは同じ大会で対戦するのだが、一度も勝たせてもらっていない。

 

 負けず嫌いな面があるとは聞いていたけれども、その経営者の勝負に対する貪欲さと闘争心には頭が下がる思い。実は、彼は、仕事にも同じ貪欲さと闘争心を見せ、流通業界でも大活躍している。