「後生畏るべし」とは、よく言ったもので、とくに生き馬の目を抜くプロテニス界には次々と若手が台頭している。
現在、もっとも脂がのっている男子は、ノバク・ジョコビッチ選手だ。セルビア出身の24歳は、2011年に入ると連勝街道を驀進し、41連勝を達成した。
開幕からの連勝記録の持ち主は、1984年、25歳だったジョン・マッケンロー選手(米国)の42。ジョコビッチ選手は、これにあと1と迫っていた。
ところが昨日、この連勝記録がストップ。止めたのは、ロジャー・フェデラー選手(スイス)だ。
フェデラー選手は29歳の大ベテラン。全仏オープンテニス2011の準決勝で、ジョコビッチ選手を7-6、6-3、3-6、7-6 で退けて決勝進出を果たした。
改めて紹介するまでもないが、フェデラー選手は、全豪、全仏、全英(ウインブルドン)、全米のテニス4大大会で通算優勝回数を16回も重ねている“史上最強選手”。
だが、最近は、25歳のラファエル・ナダル(スペイン)選手やジョコビッチ選手などの若手の台頭と体力の衰えのためにかつての他を寄せ付けない圧倒的な強さは見られなくなり、ATP世界ランキングも3位が定位置になっていた。
どんな世界でも若手は台頭するもの。それによって、新陳代謝や世代交代が促進される。
これは誰にも止めようがない。
しかしながら、ベテランががんばることで、この流れを遅らせることはできる。
若手の前に実力で立ちはだかり、トップの座をなかなか譲らないことは、ひいてはその業界の発展につながる。
その意味においても今夜、ナダル選手との間で行われる全仏オープンテニスの男子シングルス決勝に注目したい。