円高が止まらない中、大手小売業を中心に円高還元セールが相次いでいる。
円高差益を前倒しで消費者に還元することを謳ったもので、この週末にも多くの小売業の店頭が円高還元セールに染まっていた。
競合対策、消費喚起など、1日1日が勝負である小売企業の焦りは分からなくはない。
しかし、本当に円高差益還元セールを実施できるだけの原資をちゃんと確保しているのだろうか?
とにかく消費者に来店してもらい、ハイ&ローの粗利ミックスで売上と利益を稼ぎ出す経営手法は理解できる。
けれども、単純に粗利を削り、その分を自社がかぶる、あるいは取引先に補てんさせるような出血大サービス的な安売りは、やはりいただけない。
長い目で見れば、取引先、消費者、ひいては自社にとってもプラスにならないからだ。