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社内のナンバーワンかナンバー2を回さないと新規事業は成功しない

 あるオーナー経営者Kさん「あんた、最近は、何の仕事をやってんの? 『チェーンストアエイジ』を読んでるけど、ほとんど記名で原稿を書いてないでしょ。書いてんのは、目次のページの端っこにあるコラムくらいだよね」

 

 私「そうなんですよ。執筆はほとんどしていないんですよ。その代り、取材にはいきますし、メンバーの原稿は全部一通り読んでチェックはしていますよ。もう、自分ができることについては、ほぼ全部、メンバーに任すようにしています」

 

 Kさん「おっ、ヒマそうだね。ウチの会社に来るかい? うんとこき使ってやるから」

 

 私「またまたご冗談を。これでも結構忙しいんですよ」

 

 Kさん「だから、何をやってるのか、聞いてるの」

 

 私「新しい企画とページづくりに取り組んでいるんですよ。これまで小売業の実態を中心に記事構成してきましたが、いまの消費の傾向を踏まえたうえで、売場づくりの提案をできないかと考え、『テーマ特集』と称するマーケティング寄りの記事づくりに力を入れているんです」

 

 Kさん「なんか難しくないかい?」

 

 私「そうでもないです。ちなみに2010年度の実績は、『少人数世帯をねらえ!』(2010年7月1日号)、『無減マーチャンダイジング』(2010年11月1日号)、『儲かるエコロジー』(2011年2月1日号)などです。いずれも、〈新しいトレンドに対応して儲けよう〉、ということが主題になっています。面白いからぜひ読んでくださいね」

 

 Kさん「そうか。新しいことをやっているのは非常にいいことだね」

 

 私「ありがとうございます。新しい仕事は楽しいですしね」

 

 Kさん「ニトリの似鳥昭雄社長が『社内のナンバーワンかナンバー2を回さないと新規事業は成功しない』と言っていたけれども、それを実践しているんだ。えらいねえ」

 

 私「へえ、そんなことをおっしゃってたんですか? それは知らなかった。でも、確かにこれまでのサラリーマン生活を振り返っても、他人任せにした新しい仕事はうまくいったためしがないですね」

 

 Kさん「ウチもずいぶん長くやってきたけど、それはほんとに同感だね」