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日本には12個しかないから

 私「9月11日のBLOGで現役のプロ野球監督であるMさんは『プロは興業よりも勝つことを優先させるべきだなあ』とおっしゃっていました。そう考えると、中日ドラゴンズの落合博満監督の更迭は解せません」

 

 Tさん「そうだね。プロ野球の監督はまず勝つことが大事だよね。あの長嶋茂雄さんも王貞治さんも成績不振で巨人軍の監督を辞めさせられたんだから。とくに長嶋さんが1980年のシーズンオフに巨人を追われた時には、興業どころか、本体の『読売新聞』の部数も落ちちゃった」

 

 私「落合監督は、中日の監督歴8年目になりますが、日本一1回、セントラルリーグ優勝3回、2位3回、3位1回で、Bクラスはなし。今年もAクラス入りは確定的で成績的には申し分ありません。私はプロスポーツとは、何よりも勝つことが大事だと考えています。逆に言えば、113戦0勝で名を挙げた競走馬ハルウララのように、負けて興行的な業績を挙げた人物はいないんじゃないですか?」

 

 Tさん「確かにその通りだと思うよ。しかし、落合監督は所詮、生え抜きの中日の選手じゃないし、“オレ流”を貫いたことに、経営母体が切れてしまったんだと思うよ」

 

 私「それにしても好成績を収めているんだから、替える理由はないですよね。興行成績の責任は母体企業に大きくあるはずでしょう。落合監督に取らせることじゃないでしょ。そういえば、東北楽天ゴールデンイーグルスでも同じようなことがありました」

 

 Tさん「ああ、ノムさんね」

 

 私「そう。野村克也監督は、パ・リーグのお荷物的だった存在の楽天を2009年に2位にまで引き上げたのにクビになりました。翌2010年の楽天は、広島東洋カープの監督だったマーティー・ブラウンを招聘して最下位。星野仙一さんを監督に迎えた今年もクライマックスシリーズ(リーグ3位以内)には出られそうにありません」

 

 Tさん「でもノムさんはなあ…。スポンサーの受けがあまりよくなかったからなあ」

 

 私「あっ、そうなんですか。でも、勝負師に人づきあいや性格の良さを求めること自体、間違いだと思うんです。勝負師というのは相手の嫌がる手を打って勝っていくわけですから。“いい奴”の勝負師なんて聞いたことがありません」

 

 Tさん「キミの怒りは分かるけれども、『この世界はそういう世界』だから仕方ないんじゃない」

 

 私「まあ、そのことは分からなくはありませんが、リーダーシップがあって、勝負強くて、経営母体のいいなりになって、八方美人になれる監督なんていないんじゃないですかね」

 

 Tさん「いや、分からないよ。もう、これからの時代は単に強いだけの監督ではダメで、興行的にも強くて、タレント性も兼ね備えているスーパーな人材が求められているのかもしれないよ。日本のプロ野球の監督は、たった12個のポストしかないんだから、ある意味では大臣になるよりも難しい。しかも世界的競技人口から見れば後は詰まっている。もっともっと競争原理が働いていいということかもしれないよ」

 

 関連BLOG:http://diamond-rm.net/articles/-/3956