昨日のBLOGでも触れたように、福島第一原子力発電所の問題を端緒にして、在留外国人を中心に日本からの逃避行が続いている。
まあ、明日をも知れぬ日本列島だから、100%、身体の安全を考えるのならば仕方ない。
しかし、本当は、100%安全な場所なんて世界中のどこにもない。
作家の宮本輝さんが『優駿』のなかで、次に近いようなことを書いていた。
「キャンセル待ちしてやっと宿泊できたホテルが火事になったり、逆に1分差で乗り遅れた航空機が墜落したり…」。
結局、人生なんて自分の思い通りにはならないものなのである。
私の住む東京都は、福島第一原子力発電所から半径約250km。もし、「レベル7」のチェルノブイリと同じ惨事が起きたとするならば、「アウト」とシミュレーションされている地域だ。
でも、私は逃げない。この地で自分の人生を貫くことを決めた。
私はチェーンストアに勤務するみなさんの仕事に敬意を表しており、自分の仕事にも誇りを持っている。
この同じ空の下、同じエリアでそれぞれの立場や役割に応じて毎日を闘っている。
慌てふためくことなく、地に足をしっかりと下ろし、日常を普通に過ごす、すなわち自分の職責を全うすることが日本の復興につながる。
だから、一人だけ背を向けて、簡単に逃げ出すわけにはいかない。
それで破滅するならそれもよし、と達観し腹をくくれば、毎日はもっと楽しいものになる。
3月25日には、サッカー日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督も再来日。「袖すり合うも多生の縁」を実践する男――。ありがたいものである。