30代半ばにして痛風を患ってから、ビールを口にすることはなくなった。
30代と言えば、痛風になるには、まだ早いと思われがちだが、いまやそうではないようで、厚生労働省の調査によれば、30代の患者構成比率は30%ともっとも高い数値を示している。40代25%、50代20%、60代8%はうなずける数値だが、20代12%、10代5%というから驚く。
現在の痛風患者数は約15万人と言われる。その予備運の高尿酸血症患者となると実に200万人。でも、カエサルもナポレオンも、レオナルド・ダ・ヴィンチも痛風だったというから、「心強いなあ」と思いきや、痛風は別名“帝王病”“贅沢病”と呼ばれ、原因は過食、美食と飲酒、運動不足。昔は英雄、いまは中年サラリーマン生活の3拍子そろい踏みといったところだ。
痛みの元凶は、身体のエネルギーの燃えカスである尿酸にある。
尿酸は通常血液の中に溶けており、成人男性の血中1dlの中の尿酸量は3.5縲・.9mg。30代半ばに患った当時の私の数値は実に9.5mgだった。
この血中尿酸濃度が高くなると、尿酸は結晶になって関節にたまり、白血球を格闘する。痛風の発作はその時の炎症反応であり、足の親指や足首、アキレスけん、足の甲の関節が赤くはれ上がり激痛が襲う。
尿酸は、食物の中に含まれるプリン体からもつくられる。脂っこいものや魚卵などの珍味類に多く含まれており、牛ひれステーキ200g(122mg)、マグロ切り身80g(54mg)、ビール大瓶1本(62mg)といった具合だ。( )内は含有量。
痛風自体は大した病気ではないが、そのまま放置しておくと、尿路結石や腎臓障害、心筋梗塞の原因にもなるというから恐ろしい。楽観しすぎてもいけないのだ。
みなさん、気をつけなはれや!(チャンカワイ)