事業を興すことは生半可なことではないのだろう。そのせいではないのかもしれないが、創業経営者には、取材の瞬間も、気迫に圧倒され、一歩引かされてしまうようなところがある。
企業規模拡大や売上に対する彼らの意識は、常人の知るところではない。勝負へのこだわり、負けず嫌いなところも共通項として挙げられる。
創業経営者には、勝負師としての側面もある。だからなのかもしれないが、ひとつの分野で大成功を収めた創業経営者は、闇雲な拡大路線をひた走る傾向がある。
儲かる分野である本業の上がりを、次期成長と目される事業に湯水のように費やす。
次のビジネスモデルがうまく離陸し軌道に乗れば問題はないが、「1勝9敗」(柳井正ユニクロCEO)よろしく、それらはなかなかうまくいくものではない。その結果、本業までもが傾くという末路を辿ることも少なくない。常人を超えた事業欲が成功の原点であるわけだが、その原点が逆に足を引っ張ることになってしまうわけだ。
とはいうものの、それとても、常人には理解不能な価値観である。