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過去の焼き直しではない「2世代マーケティング」を

 仮面ライダー、ウルトラマンやキューティーハニーなどの復活を挙げるまでもなく、最近、「2世代向けのマーケティング」アプローチをよく見かける。

 親の世代に流行したものをスパイラルアップ(ダウン)させることでリメイクする。製作者がわれわれと同世代になっているということもあるのだろうが、親子同一の価値観や興味の対象を見つけることが難しくなっている時代の中では、実に的を射た手法のようにも思える。

 昨今は、食品メーカーも発売当時のレトロ調パッケージを復活させることで同じ効果を狙っている。大ヒット商品を開発することが、どんどん困難を極めていくなかで「昔取った杵柄」を頼りにせざるをえない苦しい状況がうかがえるところだ。

「バブル期(1986年12月~1991年2月)の1980年代半ばには、ものすごい数の新商品が開発され、発売されていた。だが、バブル崩壊以降は、各メーカーさんともに商品開発費が削られているようで、新商品のほとんどは既存商品のリニューアルバージョンだ。もちろんPB(プライベートブランド)もこの範疇にある。この産業の技術革新は止まってしまったようだ」とサミット(東京都)の田尻一社長は嘆息する。

「2世代向けのマーケティング」は、誰でも思いつくアイデアであり、ブランド資産の有効活用という面でも、重要な戦略のひとつであることは違いない。

 ただ、流通業は、消費者の変化に合わせて絶えず、変わっていく必要がある。

 その意味では、過去の焼き直しではない、創造的で斬新でエネルギーにあふれる「2世代マーケティング」をもっと見たい。