メニュー

名は体を表す―長友佑都編―

 某日某居酒屋にて――。

 

 酔っぱらったある小売業の社長「『チェーンストアエイジ』の編集長が『名は体を表さない』なんてほざいていたけど、そんなことはねえだろ。『名は体を表す』に決まってんじゃないか」

 

 『チェーンストアエイジ』誌編集長「そうですかね? そんなに言うなら、2009年8月8日の私のBLOG(http://diamond-rm.net/articles/-/3493)をもう一回読んでくださいよ。納得できるはずですから」

 

 社長「だから、バカだってーの。ヒッ。お前、このあいだ、インテル・ミラノに入った長友のこと知ってっか?」

 

 編集長「長友佑都でしょ。知ってますよ。このあいだのサッカー、アジア・カップ優勝の大功労者じゃないですか。決勝のオーストラリア戦では、延長に入ってから左サイドからボールを一瞬で持ちこんでセンタリング。フォワードの李忠成のボレーシュートのお膳立てをしましたよね。それと『名は体を表す』と関係があるんですか」

 

 社長「あるから言ってんじゃねえか。お前も編集長なんだから、長友佑都の『佑』の文字の意味をまさか知ってるよな」

 

 編集長「えっ?〈にんべん〉に〈みぎ〉って書く文字ですよね。でも、僕は、文学者じゃないんだから知りませんよ」

 

 社長「だから、ダメだってーの。お前、ちゃんと勉強してんのか? よく聞けよ。『佑』には、助ける、それも外部から助けるっていう意味があるんだよ。お前、長友のポジションはどこだよ」

 

 編集長「(小さな声で)サイドバックです」

 

 社長「え? 聞こえないよ」

 

 編集長「(大きな声で)サイドバックです」

 

 社長「サイドバックだよな。ほれみろ。長友佑都は、外側に位置取りチームを助ける仕事をすべく、生まれてきたんだよ。いまは左サイドバックだけど、以前は右もやっていたしな。ほら『右』っていう字も入っているだろ。まいったか」

 

 編集長「ところで佑都の『都』の文字はどこにいっちゃったんですか?」

 

 社長「お前、アホか? 長友は、明治大学サッカー部で頭角を現し、原(博美)監督(当時)に見染められて、FC東京に入団したんだよ。FC東京は、東京都のチーム。ほら、『都』が出てきたろう」

 

 編集長「ああ、そうですか。もうひとつ聞きますけど、北海道日本ハムファイターズに入団して話題を集めている斎藤佑樹の場合は、どう解釈すればいいんですか?同じ『佑』の文字が名前に入ってますよ」

 

 社長「(困った感じで)えっ、なんだって?」

 

 編集長「斎藤佑樹です」

 

 社長「うーん。そうだなあ」

 

 編集長「(意地悪く)ほーら。言えない」

 

 社長「ばかたれ、言えるに決まってんだろ。これから言おうと思ってたんだ。良く聞けよ」

 

 編集長「(楽しそうに)夜が明けちゃいます。早くしてくださいよ」

 

 社長「斎藤と言えばなあ。斎藤と言えば…。斎藤と言えば、おっ、スライダーの名手じゃないか。分かるか?スライダー。投げたボールが外側にずれてバッターをきりきり舞いにして、チームを助ける――。これでどうだ! 今度こそ、まいったろう」

 

 編集長「あはははは」

 

 ※もちろんこの会話はフィクションであり、企業の経営者の方とこんな形でお酒を飲んだりすることは決してありません。