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素晴らしい減点

 カッコの中に数字を入れよ。

 弥生時代は紀元前(  )世紀ごろのことであり――。

 

 

 中学1年生の最初の中間試験(社会)での問題の1問だ。

 正解は3。

 私は2~3と記入して、△だった。2点中1点しかもらえず、総得点は99点。100点満点を逃した(すみません自慢です)。

 

 諸星政得先生は試験を返却するに当たって、減点の理由を説明してくれた。「2~3という数字自体は間違いではない。しかし紀元前とあるのだから、3~2と書くのが正しい。厳しいかもしれないが、ここで1点を減点しておけば一生忘れないから、引いておくよ」。

 

 当時の私は、ずいぶん悔しかったと記憶している。

 しかし、いまから振り返ると素晴らしい減点だったと思う。

 なにより、あの試験にあった問題は、この1問しか覚えていないし、紀元前のカウント方法を間違えなくなった。

 

 教育には、本当にいろいろなやり方があるものだとつくづく思う。