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ファーストリテイリング中間決算実況中継(1) 景況は暗くても大幅増収増益

 ファーストリテイリング(以下、FR:山口県/柳井正社長)が絶好調だ。2010年8月期上期決算は、売上高4709億円(対前期比31.8%増)、営業利益998億円(同43%増)。通期予想は、売上高8340億円(同21.7%増)、営業利益1405億円(同29.3%増)を見込む。

 

 今日から、3日連続でFRの2010年8月期上期決算発表会(4月8日@東証アローズ)の模様を再現する。(文責:千田直哉)

 

 日本の景気は良くないという認識だ。循環的要因もあるが、一番は構造的なものだ。国家財政が壊滅的な状況の中で、国民の多くが将来に不安を感じている。この問題に対して、日本政府は、残念ながら何の手も打っていない。その意味では、短期、中長期ともに見通しは暗いと思う。

 リーマンショック以降、どの業態も売上半減というような状況が続いてきたが、正常さは少し戻ってきたような気がする。ここにきて、高額商品が若干動き始めた理由はそこにある。でも、以前の水準には、まだまだ戻っていない。

 だから、低価格志向は続くと予想できるが、安い物だけが売れるということではない。価格は重要なのだが、本当に良い商品が売れて行くという正常な状態になるだろう。

 

 さて、FRの話をする。

 上期のユニクロ事業の好調の原因は4つある。

 ひとつめは、国内外でグローバルブランドとしての認知度が高まったことだ。海外市場ではユニクロが好調。既存店舗の増収率が海外は対前期比30縲怩T0%増に対して国内は同13%増と海外の伸び率が国内を大きく上回っている。

 ふたつめは、ヒートテックが大ヒットしたこと。世界中で5000万点を売り切った。

 3つめはグローバル旗艦店と大型店舗の成功を挙げることができる。とくにパリのグローバル旗艦店は大成功裏に離陸した。国内では銀座店の増床、そして今後は百貨店へ大型店を出店していきたい。

 4つめは、「+J」(プラスジェイ)を発売し世界中のユニクロで大好評を博したことだ。世界最高の服デザイナーのジル・サンダーさんとの取り組みである「+J」は海外におけるユニクロブランドの認知度アップに大きく貢献。また、ジルさんの商品づくりの情熱はFRのR&D(リサーチ&デベロップメント)に対して大きな刺激になった。