昨日まで2日連続でレナウン(東京都/北畑稔社長)についての話を書いたところ、虫の知らせだったのか、中国の繊維大手の山東如意集団(山東省)が同社への出資を検討しているというニュースが飛び込んできた。
山東如意集団は、株式の3分の1超を取得してグループ傘下に入れるものとみられる。
「ダーバン」「アーノルドパーマー」「シンプルライフ」「インターメッツオ」「ヘンリーコットンズ」など、レナウンの持つブランド力と1290億円に上る売上高を欲していた企業は少なくなかったはずだ。
しかし、結局、掌中に収めそうなのは、中国の企業とは実に残念な話だ。
今後、山東如意集団は、数十億円の投資で相当のプラス効果が期待できるだろう。
5月20日のブログに記したように、「MADE IN JAPAN」というブランドを手にする同社は、中国国内への衣料品輸出でもアドバンテージを持つことになる。
それだけに、日本企業がレナウンの潜在性を理解し投資しなかったことは悔しい限りだ。
ここにきて、中国の企業は、スポーツウエアのフェニックス(東京都/孫建軍社長)や家電専門店のラオックス(東京都/羅怡文社長)、ゴルフ用品の本間ゴルフ(東京都/西谷浩司社長)など、次々と傘下に収めている。
こんなニュースを見るにつけ、日本が弱体化の道をズンズンと進んでいるようでちょっと寂しい。
日本の元気のある企業は、日本の元気のない企業への投資の可能性をもう一度考えて欲しいものだ。