9月14日(水)にヤオコー大宮大成店(埼玉県)にお邪魔すると、平日の午前中という時間帯にもかかわらず、売場は異様な盛り上がりを見せていた。
理由を探るために売場を巡回すると、「総選挙」を実施している。
日本国民の“政治離れ”が進む現在、「総選挙」ということで国民の間に浸透しているのは、衆参両議院のセンセイを選ぶ投票ではなくAKB48のセンター位置やグループ内の人気ランキングを決める「総選挙」――。
売場では、これに倣う遊び心を持って、「スマイル フェスタ2011 in 大宮大成店」と銘打ち、大試食大会(=ヤオコー総選挙)を実施していた。
各部門が推す「香味どり生つみれ」(畜産)、「釜茹で有頭えび」(水産)、「山梨産種なし巨峰」(農産)、「卵とチキンのデミグラスソースライス」(総菜)、「ヤオコージャム」(加工食品)の5品をお客に売場を回って試食してもらい、1番おいしかった商品に丸印をつけて投票してもらう。
第1位になるメニューを選んだお客の中から抽選で商品券などの景品をプレゼントするという企画だ。
試食してもらうことで、①お客の滞在時間は長くなり、②メニュー提案ができ、③イベントへの参加意識を醸成しファンづくりにつなげる。
一挙三得のような効果を発揮しそうな取組だ。
しかも、店舗内では部門ごとに競い合うはずだから、切磋琢磨の風土も生まれる。
新聞を取らない人たちが増え、チラシが効力を発揮しなくなっている中で、新しい販売促進策をどうするのかは、流通各社各店ともに頭の痛い問題だ。
平日の何もないような時間帯にお祭り気分を盛り上げるヤオコー大宮大成店のような取り組みは、そうしたいろいろな意味を含めて非常に興味深い。
※なお、同社は現在、埼玉県(70)、群馬県(12)、栃木県(5)、茨城県(7)、千葉県(15)、東京都(4)、神奈川県(1)と関東圏に実に114店舗も展開しているが、ヤオコー大宮大成店1店舗のみで「総選挙」を実施している点にも注目したいところだ(カッコ内は店舗数)。
※BLOG後記 この総選挙の結果は「釜茹で有頭えび」(水産)の圧勝だった。