バブル経済が崩壊後した1990年代中盤以降、日本全国どこにおいてもホテルの宿泊予約が取れないことはなくなった。
唯一、人口10万人以下の小さな町に出店があった時に取材に出掛け、町に2つしかないビジネスホテルに本部からの応援社員が殺到したために、あぶれてしまうことはあったにせよ、大都市では泊まれないというようなことはない。
しかも東日本大震災以降は、外国人観光客の絶対数が減っているから、ホテルの需給バランスは崩れ、宿泊料は大幅なディスカウントを余儀なくされているくらいだ。
先日、宿泊したJR大阪駅上の「ホテルグランヴィア大阪」は、素泊まりで1泊8000円。往時のことを考えれば、とてつもないお得感がある。
ところが一昨日(=7月28日)に訪れた宮城県仙台市では、ホテルの部屋がまったく取れなかった。
「何かの学会? 楽天、ベガルタ人気? 仙台七夕まつりには、まだ早いのに…」と思いを巡らせながら、クルマで街中を走ると、いたるところが大渋滞だ。
住民の方に聞けば、原因は「復旧バブル」にあるという。
ゼネコンやリフォーム関連、生命保険、損害保険などの社員が頻繁に出張で仙台市を訪れており、復旧に当たっているからホテルは常に満室状態なのだと言う。
人手不足が顕著になり、日給8500円程度だった相場は2万~3万円に高騰。それでも人材の確保には手間取っている。
繁華街の国分町は、バブル期以上の盛り上がりを見せるという。
いまのところ、「復旧バブル」が起きているのは、仙台市周辺のみだが、有識者は「原発事故の影響を受けている福島県の一角以外は、早晩、復旧・復興バブルが起きるのでは」と予測している。
被災者に気を配るあまり、マスコミはこんな報道をほとんどしていないが、実際に現場を歩いてみると驚きの発見がある。