今朝も輪島さんに会った。輪島功一(67)さんである。
元WBA・WBCの世界スーパーウェルター級王者。チャンピオンベルトを通算3度奪取した。
1976年の柳済斗(韓国)との15ラウンドKO勝ちの死闘は、手に汗を握りテレビで見た。
現在は、タレントやボクシング解説者として活躍中。また、JR中央線「西荻窪」駅周辺で「輪島功一スポーツジム」を運営するとともに「だんごの輪島」を経営する社長でもある。
これまで輪島さんに会ったのは1度や2度ではない。ひと月に一度ぐらいは目にする。
出没するのは、私のランニング練習コースである東京都井の頭公園――。輪島さんはグローブに替えて、左手には大きなビニル製のごみ袋を、右手には、ごみ用のハサミを持って、愛犬のシェパードとジョギングをしながら、ごみ拾いに勤しんでいる。
交わす言葉は「お疲れ様で~す」「ありがとう!」の行って来い。けれども、会えばいつでも愛嬌のある笑顔で答えてくれる。私にだけでなく、声を掛けるすべての人たちに対して、同じように答えている。
普通の人ならそれだけで気疲れしてしまうところだろう。
しかし、輪島さんは、そんなことを気にするそぶりもなく、次々と捨てられるごみを根気よく拾い集め、地域人として地元に貢献している。
誰でも、同じことをやってみたいという衝動に駆られることはあるだろう。また、そんなこと簡単さと思う人もいるだろう。
けれども、実際に何年もゴミ拾いを続け、他人に強要するわけでもない輪島さんを見ていると、頭は下がるばかりだ。