セシウム汚染牛が流通して大変な騒ぎになっている。
政府は、慌てて原子力災害対策特別措置法に基づき福島県産の牛について食肉処理場への出荷制限を福島県知事に指示した。
原因は基準値を超える放射性セシウムに汚染された稲わらを与えたことにあるという。
ここでの素朴な疑問は、危険なのは果たして牛だけなのか、ということである。
豚や鳥、農産物、水産物がセシウムやその他の放射性物質に汚染されている可能性は本当にないのだろうか?
農林水産省は一般消費者向けに「豚や鳥は稲わらや牧草を消化できない」と情報を出しているが、稲わらや牧草以外の飼料が汚染されている可能性は絶対にないのか?
いずれにしても、大事なことは、安全を担保するための検査だ。
被災地復興支援のために被災地の生産物を積極的に仕入れ、販売強化したい小売業の意気や情熱はよく理解できる。
しかしながら、その先には小売業を信頼してくれている消費者がいる。問題が起こってからでは遅い。ダブルチェック、トリプルチェックをしっかりと抜かりなくしたい。
(『チェーンストアエイジ』誌2011年8月1日・15日号)