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「猫に小判」か 「鬼に金棒」か

 1945年8月14日。とあるルートから漏れ、2人の男が翌日に天皇陛下から「終戦の詔勅」があることを知った。

 ようやく平和が訪れることを知った「1人めの男」は、うきうきした気分で帽子屋に寄り、有り金をはたいて自分に似合う帽子を1つ買った。

 「2人めの男」は、驚喜に震えた後、町を走りまわり、それまで誰も見向きもしなかった荒れ果てた土地を二束三文で買いあさった。

 

 どちらの人生が幸せなのかは別にして、1つのニュースを聞いた時の活用方法は人によってずいぶんと異なるという格好のケーススタディだろう。

 「猫に小判」とするのか「鬼に金棒」となるのか、同じ情報でも受け手の日ごろの注意力によって、その効果は大きく違う。

 

 『チェーンストアエイジ』誌4月1日号の特集取材で9人の経営者から話をうかがったが、それぞれに「2人めの男」であり、情報への枯渇感と集中力があることに共通性を感じた。