対岸の火事ではない。ロシアの観測史上最悪とみられる猛暑だ。
とくに農業への損害はあっという間に日本に飛び火してくるはずだ。
ロシア政府は、猛暑による干ばつで、穀物生産量が対前年度比4割減になると予想。プーチン首相は、小麦を含む穀物の輸出を一時禁止する政令に署名した。
日本はロシアから小麦を直接輸入していないが、米国、カナダに次ぐ世界第3位の輸出国の禁輸措置にともない、この下期から来年にかけて、小麦相場高騰は必至。9割を輸入に頼る日本への影響は不可避的といえよう。
しかも猛暑の原因が地球規模での環境破壊だとするならば、今後、不作は恒常的事態として定着する可能性もある。
2008年の世界食糧危機に際しては、売価アップという打ち手しか講じられなかった日本の流通業界だが、その時の経験や教訓を、これから迎える危機的状況に活かしたい。