「高質食品専門館」を標榜する阪食(大阪府/千野和利社長)の最新改装店舗、阪急オアシス守口店(大阪府)は、生鮮食品の産地直送を強化している。
とくに力を入れているのは、鮮魚であり、鳥取県の漁港から仕入れる。
賀露港を軸にして、荷量が不足する場合は、境港、淀江、御来屋、赤碕、泊、網代の各港から補充され、守口店に出荷する形式を採る。
大衆魚の要望リストを作成し、全量の5割は、そのなかから品揃えするとともに、それ以外の魚種でも受け入れる体制を整えた。
守口店では、鮮魚の売上の43%をこの方式で賄うとしている。
産地直送のメリットはなんといっても鮮度が高いことだ。市場を活用するよりも2日ほど店着が早い。また仕入原価も10%ほど下がるのだという。
実は、多くの食品スーパー企業の鮮魚部門は赤字だ。
ところが同社は、新鮮な鮮魚の丸物で差別化につなげるのと同時に寿司や刺身、干物など加工度を上げることで付加価値をつけ、黒字化させている。
すでに同社の寿司は鮮魚部門の売上の30%を占めるに至っている。
守口店の開業日には、賀露港から5人の漁師たちが駆け付け、接客。売場で食べ方、さばき方、保存方法などの若い主婦たちに披露して好評を博した。
(『チェーンストアエイジ』誌2011年11月15日号)