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「五感マーケティング」への道のり

『チェーンストアエイジ』誌の2009年4月1日号では「五感マーケティング」というテーマの特集をした。

 同質飽和化が進むチェーンストア店舗の差別化策として、視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚に訴求してみてはどうかという提案だ。

 この特集よりもだいぶ前から、「五感マーケティング」を実践してきたのがヤオコー(埼玉県/川野清己社長)である。

 9月30日に開業したヤオコー新座店でも、売場の各所で五感への働きかけがあった。

 

 鉄板を導入している総菜売場からは湯気が上がり、ソースのこげる香ばしい匂い。鮮魚売り場では、市販のツユを使用して金目鯛を煮付けている。メニュー提案コーナーの「クッキングサポート」では「牛ステーキのきのこソース」を実演。精肉売場では、目玉商品の「牛ステーキ」をじゃんじゃん焼いている。コメ売場には炊飯器を持ち込んで、炊き立て新米のよい香り。ゴンドラエンドでは、味噌を測り売りして、威勢の良い声が上がっている。

 

 食欲をそそる匂いの交錯に感激したので、そのことを売場視察中の川野社長に告げると、「各論は良いけど、総論はダメ」と感想を話してくれた。

 

 部門ごとの提案は良くできているが、匂いが多すぎて店舗全体としてはノ―グッドという意味だ。

 

 うーん。五感マーケティングへの道のりは長く遠いなあ。