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生活者の本質を見抜け!お客への過剰反応は日本社会をだめにする

「生活者の本質を見抜け!お客への過剰反応は日本社会をだめにする」。昨年初めに亡くなったTOTOの利嶋親義さんの言葉である。

 

「たとえば温水洗浄便座だ。メーカーの社員は、出張でホテルに宿泊するたびに、『お客様の声』として、温水洗浄便座の設置を投稿して要望してきた。その結果、いまや、温水洗浄便座の付いていないホテルはほとんどない」と利嶋さんは生前に語っていた。“お客様”の営業活動が実を結んだわけだ。

 

 また、食肉偽装事件を起こし逮捕されたM社の社長は、消費者が「安くしろというからこうなった」と逆ギレしていた。

 

「お客様は神様」であることは間違いない。しかし、行きすぎた対応は、利益構造を歪め、「誰も儲からない状態」にしてしまう。

 

 昨年の「殺虫剤入り餃子事件」で冷凍食品の売上が対前年度比で3割減した食品スーパー企業の某トップは、「たくさんのコストを費やして冷凍した商品が4割~5割引では儲からない」と不満を述べた後、「それをやめた事件後の粗利益率は前年度をクリアしている」と付け加えてた。

 

 まさに、生活者の本質を見抜け、である。