日本の国債発行額は2009年6月末日現在で684兆円に上る。10年前の1999年の同時期には335兆円だったので、この10年間で2倍に増加している。これに地方債を加えると国全体の“借金額”は800兆円を優に上回る。
そんななか、民主党幹部は、2010年度予算において、新規国債発行額を50兆円台に拡大すると発言している。50兆円突破は史上初。そのうち2兆円超は「子供手当」などの福祉経済に充てるという。
まあ、「子供手当」の場合は、今夏の総選挙時に民主党のマニフェスト(政権公約)に盛り込まれた目玉政策であるので仕方ないかもしれない。
ただ、問題視したいのは、国債発行額の大幅増額は、親が子供たちの未来の財布に手をつけることを意味しているということだ。
その親が、政府の意図する通り、しっかりと子供の養育や教育に「子供手当」を使うのであれば、まだいい。けれども、いまの親たちの中にはモンスターペアレントが多くいることを忘れてはいけない。
法政大学教授の尾木直樹さんの『バカ親って言うな! モンスターペアレントの謎』(角川ONEテーマ21)によれば、モンスターペアレントは次の5つのタイプに分類される。
(1)我が子中心型(何でも自分の子ども中心に考える過保護・過干渉な親)
(2)ネグレクト型(子どもに無関心で育児全般が放任状態の親。育児放棄型)
(3)ノーモラル型(常識と非常識の区別がつかない親。近年急増している)
(4)学校依存型(家庭でやるべき雑事まで学校に頼んでくる、甘ったれた親)
(5)権利主張型(自分の要求を通すために法律や権利を振りかざす親)
まさか、こんな親ばかりが過半を占めるとは思いたくもないが、「子供手当」をもらいつつ、生活保護なども受けつつ、給食費は未納なのに、海外旅行をされたり、パチンコなどのギャンブルに興じられては、国も子供もたまったものではない。