「なんであんな誤審があるんでしょうね?」
ビデオ映像を見ながら、こんな言葉が繰り返される。
実際にこの1カ月を振り返っても、サッカーワールドカップのドイツ対イングランド戦で明らかにゴールを割ったイングランドのシュートは無効とされた。またアルゼンチン対メキシコ戦ではオフサイドポジションからのアルゼンチンのゴールが認められた。
6月2日には、アメリカメジャーリーグ、デトロイト・タイガースのアルマンド・ガララーガ投手がクリーブランド・インディアンス戦で、27人目の打者を打ち取り完全試合を達成した。にもかかわらず、誤審で大記録はフイになった。
この問題の解決に向けて、テニス界では「ホークアイ」というライン判定システムを導入している。コート周囲に設置した10台のカメラがボールの軌道を追い掛け、瞬時に映像解析する。選手が判定に不信感を抱いた時に「チャレンジ」とコールすると、CG画像が表示され、ボールの行方を判定する仕組みだ。
また、日本のプロ野球では、2010年からホームランに限ってビデオ判定を導入するようになった。
国を背負い、プライドを背負い、生活を背負い、闘っている選手たちにとっては、誤審は許されないことだろう。
一方で、誤審も勝負の一部という考え方も分からなくはない。
一体、どちらがよいのかは、とても迷うところだが、「人間は間違うもの」であることは間違いないようだ。