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本当に、大黒柱に車をつけている

 タヌキかキツネの出るところ、カエルの鳴くところに店舗をつくれ――。

 

 1980年代後半から、岡田卓也現名誉会長の号令のもと、イオン(千葉県/岡田元也社長)グループ各社は、この言葉を出店戦略の基本に据えてきた。実際に同グループは、田舎や郊外の立地を主軸にして、広域型ショッピングセンター(RSC)や近隣型ショッピングセンター(NSC)を開発、出店してきた。

 

 ところが、2009年2月期の決算発表の席上、岡田元也社長は方針転換を宣言した。「『マックスバリュ』をはじめとする食品スーパー(SM)事業への投資。『まいばすけっと』や『アコレ』など新しいフォーマットへの投資を強化して事業フォーマットの組み替えをしていく」「小商圏はこれまでコンビニエンスストア(CVS)のミニストップでしか対応してこなかった。その意味では大きな戦略転換である」。

 

 そして、都市型小商圏フォーマットの「まいばすけっと」を2年以内に300店舗体制にすることを明らかにした。

 それから1年余りが経過。今日現在、「まいばすけっと」は、東京都と神奈川県に136店舗を展開するに至っている。

 

 「大黒柱に車をつけよ」とは岡田家の家訓。「お客の変化に柔軟に対応すべし」という意味であるが、家訓は、いまも健在であることを示している。