2月、3月決算が多い流通業界は人事異動の季節でもある。新聞を見れば、わんさと人事異動の発令が掲載されている。
内示をもらったみなさんは、どんな気分だろうか?「よし次の職場では頑張ろう」と思う方もいるかもしれないし、「何で俺が異動なんだよ?」と不満の方もいるかもしれない。昇格に欣喜雀躍の方もいるかもしれないし、期待通りの発令が出ずに肩を落としている方もいるかもしれない。
人事異動には、私なりのひとつの思いがある。それは、「いまいるところでやらない人は、どこに行ってもやらない」というものだ。「あそこに行ったらやろう」とか「あのポジションで部下を持ったらやろう」というのは大嘘で、結局、その人は、仕事をしない人なのである。
実は、学生時代も社会人になってからも、そんな人たちをごまんと見てきた。
ということは、人事異動が決まって、実際に動く日までの数十日間はきわめて重要だ。「立つ鳥後を濁さず」の諺通り、その間の仕事ぶりこそが、実は、次の部署での仕事ぶりを正しく映し出しているのである。
(『チェーンストアエイジ』誌2011年3月1日号)