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潜在能力は高いけれども、市場に埋もれている商品がたくさんありそうだ

 東日本大震災後、ヤオコー(埼玉県/川野清巳社長)の店舗でNB(ナショナルブランド)のパンが一気に品切れしてしまった話を依然書いた。

 http://diamond-rm.net/articles/-/3969

 消費者は、その代替としてインストアベーカリーでつくられる若干割高のパンを買い求めた。NBの生産体制が復旧して、パンの安定供給ができるようになった後もインストアベーカリーの食パン系は好調をキープしている、という話だ。

 

 これと同じような現象が現在進行形で売場の各カテゴリーで起こっている。

 たとえば、ヨーグルトだ。震災後、ヨーグルトは一挙に品切れ代表選手。バイヤーは代替品の確保に血眼になった。

 

 小岩井乳業(東京都/布施孝之社長)のヨーグルトは、そんななかで多くの食品スーパーの棚に収まった1品だ。ところが震災から他メーカーの生産体制が復旧しても売り上げが落ちずに好調だ。

 

 ユウキ食品(東京都/田中晃社長)の「マコーミック」ブランドのドレッシングも同じようなプロセスを経て、いまも大いに売れているという。

 

 POSデータによる絞り込み政策の結果、棚に入り込めなかった商品が、震災を契機にリターンマッチの機会をもらい見事にリベンジを果たした格好だ。

 こうした状況を見るにつけ、潜在能力は高いけれども運悪く棚から落ち、市場に埋もれている商品はごまんとあるのではないか、と考えてしまう。

 

 その意味では、チェーンストアのバイヤーは、わが社の棚が取りこぼしている商品をチェックするよい機会を与えられていると言えるだろう。