ファーストリテイリング2011年8月期決算実況中継(3) 事業を通じて世界を良い方向に変える
(昨日の続きです)
前回まで話した拡大戦略を進めることにともない、われわれの経営体制も変えていく。
まず、グローバルヘッドクォーターを東京に設け、世界4都市に地域本部も設置する。東京が日本と韓国、ニューヨーク地域本部は米国、パリ地域本部はフランス、英国、ロシア、上海地域本部は中国、香港、台湾、シンガポール地域本部はシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンを管轄する。
各地域本部はUNIQLO事業、グローバルブランド事業を運営する。
同時にFR MIC(FR Management and Innovation Center)、ユニクロ大学も各地域本部につくり、経営人材を含む社員の大量採用と早期育成を実施する。
コミュニケーション体制もグローバル化していきたい。
マーケティング、広報など、すべてのコミュニケーションをグローバルで展開し、ユニクロの商品のすばらしさを世界中の人間に伝える。
消費者が商品を買う理由とは、商品のスペック、性能、機能、だけではない。感情と共感で買ってもらえるようにブランドとブランディングに注力したい。
企業活動のすべてがブランドである。
誰が、どの会社がどういう思いでこの商品をつくり販売しているのか? どんな人から、どんな商品を買いたいのか?
消費者は、良い人が経営をしている良い企業の良い店で良い販売員から良い商品を買いたいものだ。
だから、われわれは、企業精神そのものを買ってもらい、企業として永続的に支持されることをめざす。
グローバルに活躍するためには、グローバルブランドになる必要がある。
その意味でもCSR(企業の社会的責任)活動は非常に重要だ。
グローバルブランドとして世界中の人々に認識されるためには、事業活動と同時にCSR活動が必要だと考えるからだ。
われわれは、ファーストリテイリングを世の中から本当に必要とされる企業にしなければいけない。
ファーストリテイリングがめざすのは、事業を通じて世界を良い方向に変えることだ。
そのためにわれわれは、世界にどのように貢献するのか世界に対してはっきり表明しなくてはいけない。
ユニクロのブランドメッセージは、「ユニクロはあらゆる人が良いカジュアルを着られるようにする新しい日本の企業です」だ。
その実現のためにも企業のステートメントである「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」を推進していきたい。
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