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業界団体会長の条件

 ある広報「日本チェーンストア協会(東京都)の会長にライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)の清水信次CEO(最高経営責任者)が就任したね。昨年の参議院選挙は、民主党から出馬して落選してしまったけれども、僕はとってもいいことだと思うよね」

 

 私「どうしてですか?」

 

 ある広報「清水さんが論客であることがひとつ。業界を代表して、政治に対してしっかり意見ができるでしょ。それともうひとつは、食品スーパー業界で単独企業として売上高が首位というのは大事だよね」

 

 私「論客であることはわかりますが、売上首位というのは本当に大事なことなんですか?」

 

 ある広報「大事だねえ。業界団体の会長は、その業界において売上や利益面でポジションが高い企業のトップが就くべきでしょう」

 

 私「それはどうしてですか?」

 

 ある広報「業界団体の会長に、下位企業のトップがたまたま就いてしまうと、思いがけない長期政権になってしまうんだよね。その長期政権下で業界自体が発展するならそれもいい。しかし、どちらかと言えば、その業界や団体は凋落していく傾向があるんだよね」

 

 私「へえ。なんで、長期政権になるんですか?」

 

 ある広報「だって、たとえば、下位企業のトップが業界団体会長になって、海外に行ってごらんよ。そのトップは、国内では全然認められていないとしても、海外から見れば日本代表だよ。上げ膳据え膳は国賓級。気分がいいに決まっているでしょ。だから辞めないんだよね」

 

 私「ああ、確かに振り返ってみれば、そんな業界団体はいくつもありました。しかも、しょーもない団体になり下がっていきましたよね」

 

 ある広報「そうでしょ。だから、清水さんのような人物がいいんだよ」

 

 私「日本チェーンストア協会の会長の期限は一期一年ですよね」

 

 ある広報「とにかく、トップはどんどん変わった方がいいよ。変われる組織こそが発展していくんだと思うよ」