「作家は自分の年齢より下のことしか描けない。リアリティを出すことができないからだ」。
と言いきるのは、先月、小説『孤舟』(集英社、1680円)を上梓した作家の渡辺淳一さん。
大手広告代理店を定年退職した威一郎のその後の人生を通じて夫婦の形を見つめている。
同じようなことをおっしゃっていたのはイオンの岡田卓也名誉会長だ。7月29日のブログでも紹介した。
「日本には、団塊の世代向けの専門店や商品がない。製造業や小売業には彼らと同世代の人間がいないからだ」。
どちらも経験者や当事者であることの重要さを教えてくれる。
ところが、流通業界のパーティに行くと、男性が圧倒的に多く、9割以上を占めているのはなぜだろう?
食品スーパーやホームセンター、ドラッグストアの主要顧客は、女性であり主婦である。
男性はひっくり返っても、女性にはなれないのだから、流通業界は、もっともっと主要顧客である女性を活用、登用すべきなのではないだろうか?