昨日まで3日間にわたって、ファーストリテイリング(山口県/柳井正社長)の2011年8月期決算発表の模様を再録した。何か感じるところはあっただろうか?
私見を述べるなら、「2020年、売上高5兆円、経常利益1兆円」をめざす柳井社長がもっとも力点を置いていたのは、“コミュニケーション”という言葉であるように思われた。
「誰が、どの会社がどういう思いでこの商品をつくり販売しているのか? どんな人から、どんな商品を買いたいのか? 消費者が商品を買う理由とは、商品のスペック、性能、機能、だけではない。感情と共感で買ってもらえるようにブランドとブランディングに注力したい」(柳井社長)。
その実現に向けて、重要視しているのが“コミュニケーション”なのである。
なるほど、どんな組織においても“コミュニケーション”は重要だ。これを密にするだけで組織の強さは確実に増す。
“コミュニケーション”とは単純に企業内の会話のことを意味していない。対消費者、対取引先、対マスメディア、対生活者、対投資家、対アナリスト、対銀行、対コンペティター、対海外…非常に広範囲にわたる。
企業活動とは“コミュニケーション”と言ってもいいほどだ。
そう言えば、10月11日にホテルオークラで開かれた「Japan Food Safety Day 2011」の講演者であったウォルマート・ストアーズ・インク フード・セーフティ&ヘルス バイスプレジデントのフランク・イアナス氏も「ウォルマートシステムの神髄は、コミュニケーションだ」と述べていた。
また、メトロ キャッシュ&キャリー ジャパン(東京都/石田隆嗣社長)も、飲食店オーナーとのコミュニケーションをバックに快進撃を続けている。
所詮、地球は人間社会。“コミュニケーション”は、21世紀を勝ち残る上でのキーワードであると私も思う。