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さえきグループ、4年後には年商1000億円

 首都圏に食品スーパーを展開するさえき(東京都/佐伯行彦社長)は、1月12日に政策方針発表会を開催した。

 

 さえきは、2000年以降、M&A(合併・買収)を順次進め勢力を拡大。現在、さえきグループは、さえきのほか、フーズマーケットホック(島根県/長谷川徹社長)、茨城さえき(茨城県/岡本正社長)の3社から構成され、合計40店舗を展開する。

 11年2月期決算の見通しはグループで売上高400億円、経常利益は2%を見込み、12年2月期は同420~430億円。経常利益は2.5%を目標に据えた。

 

 15年2月期末には売上高1000億円と株式公開するという中期計画もぶち上げた。その達成に向けて、12年2月期を“成長戦略元年”と位置付け、大幅な組織変更を実施する。目玉となるのは、持ち株会社への移行だ。

 これは3ステップから成り、まず、11年3月にさえきの第4販売部を分離独立、分社化し、地域子会社の山梨さえき(山梨県)を設立する。次のステップでは、12年3月を目途に、持ち株会社のさえきホールディングスを新設して、さえきを傘下に収めるとともに、間接部門の効率化を図る。

 最終的には、さえきホールディングスの傘下にさえき、茨城さえき、フーズマーケットホック、山梨さえきをぶら下げるというものだ。

 

 集中と分散をモットーに、地域に密着したきめ細かな商品政策と商売で市場の深掘りに注力。環境変化への迅速な対応、そしてグループシナジーを追求する。

 この新体制の船出に合わせて、CI(コーポレート・アイデンティティ)も実施。さくらの花びらをモチーフにした新しいロゴも制作した。

 

 今後、全国に300社近く存在する売上高200億円前後の規模の企業との合従連衡に力を注ぎ、「高い志が一致するような企業にはグループ入りしてもらい一緒にやっていきたい」と佐伯社長は抱負を述べた。

 

 さて、12年2月期のさえきグループの重点政策は、パートを含む従業員の商品知識の向上を目指すことだ。

 「1年半くらい前から『地域で一番試食の多い店にする』ことを打ち出し、売場の各所で試食コーナーを設けたが、従業員の商品知識はそれほど増強されていない。従業員には、どんどん新商品の試食をしてもらい、知識を増やして、商品特性をお客さまに伝えてもらいたい。我々が売っているのは商品。その商品を理解していないで売るということは、お客さまに対して失礼だ」と従業員の試食を励行する。

 

 さらに、佐伯社長は、「どんな時代がきても、食べることはなくならない。買物の方法や食べ方は多少変わっても、食べることはなくならない。だからこそ、強い人づくり、商品づくり、店づくり、組織づくりをしていきたい」と語り、政策発表会を締めた。