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事実は小説より奇なり

 10月1日は、福岡ソフトバンクホークスが埼玉西武ライオンズを所沢ドームで破り、2年連続でのパシフィックリーグ制覇を決めた。

 その試合をテレビで観戦していた。

 

 センター側のカメラからバックネットを移すと、「バスプラ 西友」の文字が映し出されていた。

 それを見て、西友(東京都/スティーブ・デイカスCEO〈最高経営責任者〉)は、セゾングループだったことを思い出した。

 西武鉄道(東京都/白山進社長)グループ総帥で西武ライオンズのオーナーだった堤義明さんとセゾングループ代表の堤清二さんは、義兄弟であり、仲違いをしていたが、商売上は何かにつけてコラボをしていたものだ。

 いまや、その西友は米国ウォルマートの傘下。隔世の感を覚えるけれども、沿線に多くの店舗を持つから、いまもスポンサーを継続しているのだろう。

 

 今度は、バックネット側からバックスクリーンを見ると、セブンイレブンとイトーヨーカドーの文字がある。「セブンイレブンやイトーヨーカドーと西武鉄道、セゾングループはライバルではあるけど関係ないよなあ」と右側に目をやると、西武(百貨店)とそごうの文字がある。

 そこで、そごう・西武(東京都/山下國夫社長)が、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)傘下に入ったことを思い出した。

 

 流通業界は消長が激しく、業界再編の結果と言ってしまえば、それまでだが、同じグループ企業然としていた2社がウォルマート、セブン&アイ・ホールディングスと、まったく違う系列に入って同じ球場で顔を合わせる姿は、長く流通業界を追ってきた者としては不思議そのもの。たぶん15年前に、こんな姿を予想できた者は、世界中に1人たりともいなかったに違いない。

 

 「事実は小説なり奇なり」とはよく言ったものだ。