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キャッシュバックキャンペーン

 世の中は、キャッシュバックブームのような感じだ。

 

 たとえば、サミット(東京都/田尻一社長)はポイントカードを介したキャッシュバックサービスを実施している。買い上げ100円ごとに1ポイントを付与して、貯まったポイントを毎週火曜日には現金に換金できる。

 また、今年の2月には、「現金ご返金セール」を13店舗で展開した。レシートを精算所に持っていくと1割の現金を返金してくれるというもので、実に10年ぶりの試みだという。

 

 イトーヨーカ堂(東京都/亀井淳社長)もキャッシュバックセールを実施中だ。この6月8日から13日までの6日間、特設レジに対象レシートを持参した消費者に商品に応じて、30%、20%、10%、5%の現金還元を実施している。

 

 ただ、サミットの田尻社長によれば、「キャッシュバックセールは期待以上の効果は出なかった」そうだ。

 オーバーサービス、オーバーディスカウント、オーバークオリティに慣れ切った現代消費者には、現金でさえも響きにくくなっているのだろう。

 

 ところが、先週末、たまたま、私もキャッシュバックの恩恵にあずかり妙に感激してしまった。

 山形駅前の居酒屋にふらっと入ったところ、会計時に120円が入ったポチ袋をもらった。店主に聞けば、「帰りの道中で缶ジュースを買って飲んでもらい、酔いを醒ましながら幸せを感じて欲しい」と朴訥とした口調で説明してくれた。

 また、新宿の中華料理店で青島ビールを頼むと、瓶の首にかかっていたのは5円玉。開運を祈念して配っているのだという。

 

 どうやら、金額以上に効果をあげるキャッシュバックキャンペーンの肝は「意表をつくこと」にありそうだ。