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菱食中野勘治社長、「中間流通は定性的成長だ!」

 2011年2月16日、17日の2日間、菱食(東京都/中野勘治社長)は、「ソリューションフェア2011」を開催している(@東京流通センター第一展示場)。以下は、開会セレモニーにおける中野社長のあいさつである。

 

 2011年中に菱食と酒類卸の明治屋商事(東京都/今村忠如社長)、冷蔵食品を扱うフードサービスネットワーク(東京都/岡田重行社長)、菓子卸大手のサンエス(東京都/島田美幸社長)の4社を統合する関係で、リョーショクという企業名を冠した「ソリューションフェア」は今回で最後になる。

 

 今年、菱食は15か月の変則決算になるのだが、それを前年と同じ形に換算すると、過去最高益を達成した。

 

 ただ、当社としては、何期連続増収増益、過去最高益などといった定量的成長にはもはや興味がない。中間流通において、定量的な成長は、なじまないと考えているからだ。

 中間流通は、メーカーさんから商品をいただき、小売業さんに卸すまでの間で商売をしているわけで、ちょっと考えれば、無限大に利益を伸ばし続けることはできない、とわかるはずだ。

 

 だから、定量で成長度合いを測ること馬鹿げていると考えている。

 ただし、私たちは、上場企業であるから、ステークホルダー(利害関係者)への答えはしっかりと出さなければならない。これは経営者としての義務である。

 

 では、何を新しい指標に据えて商売をするのか?

 それが定性的成長である。

 定性的成長というのは、企業内に人材を育て、企業体質を強くして、ロイヤルサプライヤーさん、ロイヤルカスタマーさんとの関係をよりクリアにする。そして新しいステージにビジネスモデルを導くというものだ。その考え方を具現化したものが「ソリューションフェア」である。

 

 実は昨日まで渡米していた。視察を繰り返す中で、「私たちのやり方は正しい」と確信を持つにいたった。

 米国は景気が回復基調にある。そして、これまでのような低価格訴求一辺倒のウォルマート流の経営手法ではないものが次々と台頭してきているのだ。

 たとえばホールフーズは復活しているし、ニューヨークに先日開業したイータリー(本部:伊トリノ)は見事な店舗だった。こういう新しい息吹は、私たちの目指す方向と軌を一にする。

 

 イータリーの幹部に「ライバル企業はどこか? ホールフーズか?」と尋ねると「違う。あれは食品スーパーだ。我々はイタリアンのソウル(魂)を展開している」と即答した。

 この答えを聞き、「日本には、そういうココロの部分が欠落しているのではないか?」と反省させられた。

 

 さて、今回の「ソリューションフェア」のテーマは前回の「SMART」から「FINE」とした。

 メーンテーマを「つくろう! FINE DAY」として、4つの「FINE DAY」を設定している。

 

 ・ココロ晴れる

 誠実な対応を受けた時、何かを達成し満足してはればれとした気分になった時

 ・ココロはずむ

 意外性やちょっとした発見があった時、効果を実感して「これいい!」と思った時

 ・ココロ安らぐ

 仕事や頑張っている自分から解放されて、リラックス楽しみ安らいでいる時

 ・ココロつながる

 家族や友達とのつながりを実感した時、何かをしたり、してもらった時

 

 私たちは生活者の消費動向をふまえたさまざまな提案によって、食ビジネスの展望をみなさんと一緒に考えていきたい。