「いま出たばかりです」。
昔の蕎麦屋は出前持ちをなかなか出せないことの言い訳をこんな短い言葉を使ってしていた。
現在、流通業の2月期・3月期決算発表のまっただ中であり、会場ではこれと同じような言い訳をよく耳にする。
諸々の事情によって、その場で答えられなかった質問について、「のちほどみなさんに個別にご連絡させていただきます」というものである。
ところが、その場しのぎの出任せであることが非常に多く、会見のあとに改めて連絡が入ることは奇蹟に近い確率である。
入場時に名刺を渡しているのだから、「電話やファックス、メールをくれればいいのに」とこっちの都合よく簡単に考えてしまうのだが、たぶん面倒臭いのだろう。
もちろん、連絡がこないのであれば、こちらから催促をすることがまずあってしかるべきなのはわかっている。
しかしながら、“あの会社”とか“この会社”など、律儀に約束を守ってくれる企業があることも事実で、どんなIR用の美辞麗句よりも、左脳と心にしっかりと響く。
そして、こうした企業こそ、推奨銘柄として私の中の株価は、相当な高値になっているのだ。