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食品のトレードオフって分からない!

 ストアブランド(SB)やプライベートブランド(PB)づくりが加速化している。

 

 ナショナルブランド(NB)をトレードオフすることで何でもかんでもSB・PB化。製造小売業並みの売上高構成比率を計上する企業も出てきた。

 

「チェーンストアのための必須単語1001」(日本リテイリングセンター刊)によれば、トレードオフとは、「ある品質をやめて、別の品質を重視すること。(中略)商品に与えるべき性質と捨てるべき性質とを、消費者の使う立場から再検討する時に使う言葉」とある。 

 

 確かに必要のない機能の付いた製品や必要以上の品質を備えた衣料品などが市場にはうんざりするほどたくさんある。トレードオフをすれば、かなり良いSB・PBをつくることができるだろう。

 

 その一方で食品はどうなのかと思う。

 

 A社の“あの味”が食べたいとNBを買い求める消費者は多い。メーカーもNB開発に当たっては、コスト削減を繰り返し、血の滲むような努力で“あの味”を出しているはずで、そう簡単にトレードオフが出来るとは思えないからだ。

 

 もっとも食品ではなく、エサをつくるというのであれば話は別だが。

 

『チェーンストアエイジ』誌2009年10月15日号