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2010年の注目人(3) アークス 横山清さん

 「創発」とは、「進化論・システム論の用語。生物進化の過程やシステムの発展過程において、先行する条件からは予測や説明のできない新しい特性が生み出されること」(広辞苑第六版)である。

 この「『創発』を企業内で起こす必要がある」と力を込めるのは、アークス(北海道)社長の横山清さんだ。

 横山さんは、「創発」を「ひとつひとつの小さな行動や動きが相互に影響し合って、クリティカルマス(臨界点)に達した時、予想を超えた構造変化や創造が誘発されること」とさらに噛み砕いて説明している。

 

 では、なぜ、いま「創発」を起こす必要があるのか?

 それは、横山さんが社長を務めるアークスの企業体としての特徴と関係がある。

 持ち株会社アークスは、多くの道内小売業の集合体だからだ。事業会社として、中核企業のラルズ(札幌市)、福原(帯広市)のほか、ふじ(旭川市)、道東ラルズ(元イチワ:北見市)、道北ラルズ(元三島:士別市)、道南ラルズなどを抱える。2009年10月には、札幌東急ストア(現:東光ストア/札幌市:加固正好社長)を傘下に収めた。

 横山さんが意図するのは、こうした創業や沿革、すなわちDNAの異なる企業間の「創発」だろう。

 

 この1月1日に発刊した社内報『アークス』では第1面で、「活!!活かせ三千億(円)の集中力〈東光ストア参加が起爆剤〉」のタイトルが踊っており、集合体の相乗効果発揮を促している。

 

 アークスは減速気味の食品スーパーマーケット市場を尻目に絶好調で1月6日に発表された2010年2月期第3四半期決算も増収増益。業績予想は、売上高2750億円(対前期比8.3%増)、営業利益90億5000万円(同5.5%増)、経常利益98億円(同4.5%増)、当期純利益53億円(同6.6%増)と物凄い数字が並んでいる。

(詳しくは『チェーンストアエイジ』誌2010年2月15日号で)