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製配販+総合商社による食糧確保を

 食品スーパーやコンビニエンスストアに並ぶ豊富な食材の数々を見ると忘れてしまいがちだが、「川上インフレ、川下デフレ」は、いまも確実に続いている。

 地球の人口が爆発的に増加するなかで、食糧確保は、カロリーベース自給率40%の日本にとって火急の課題と言っていい。

 

 しかしながら、川下では、競合激化に端を発する低価格競争が繰り広げられ、商品単価は下落するばかり。2008年初めの物価急騰の教訓も得ないまま、食糧は無限とばかりに相も変わらず、安売り合戦が続けられている。

 いまや高級食材の分野で中国などの新興国に買い負けているだけではなく、主食の農・畜・海産物の確保にも黄信号が灯っているにもかかわらずである。

 

 そんな矛盾を目の当たりにして、The Consumer Goods Forum,Japan(東京都)の朝長哲ジェネラル・マネージャーは、製造業、卸売業、小売業に総合商社を加えた、4業態協力体制によるSCM(サプライチェーン・マネジメント)の必要性を強調する。

 「食糧確保と安定供給は製造業だけの力ではできない。穀物メジャーの米国カーギルなどと伍して戦っていくためには、総合商社を含めた4業態の一致団結が求められる」。

 

 小売業界は、利益を度外視した闇雲な安売り合戦を根底から見直す時期に来ているのである。