さあ、試合が始まりました。
まず、Nさんのサービスです。ナイスサーブです。いきなりサービスエースを取りました。
手元の資料によるとNさんは、62歳。団塊の世代です。会社の役員をしていたんですね。なかなかの風格があります。現役中は専門商社の営業本部長として鳴らしたそうです。
テニス歴は1年。リタイヤ後に、「家にばかり居ないで」と奥さんに誘われるがままにテニススクールに入っています。その奥さんはもうやめてしまい、現在は、“韓流”にはまっているようですが、Nさんはテニスに魅せられ、続けているそうです。
あっと、今度は、ダブルフォルトです。これでカウントは15‐15。
あれ、ここでNさんが応援団に何か言っています。聴いてみましょう。
どうやら、「ボールを持ってこい」と怒鳴っているようです。
これはいけません。テニスの試合では2個のボールをプレイヤーがそれぞれ自分の責任で拾って、回していかなければいけません。プロのようにボールボーイがいると思っているのかもしれません。
テニス歴は1年になりますが、ここまで試合をしたことがなかったのでしょうか?
不思議なところです。
さて、気を取り直していきましょう。
3ポイントめは、またしてもダブルフォルトです。サービスが入りませんね。Nさんは、いらいらしているようです。
あまりコートの中では怒りをみせない方が得策だと思いますが、まあ、こういう人も少なくありません。
さあ、15‐30からゲーム再開です。
Nさんのサービス。これは入った。ふわっとしたリターンが返ってきた。
ペアのTさんがこれを相手コートに慎重に入れていきます。
また、ボールが返ってきた。Tさん、ボールをヒット。これは大きい。バックアウトです。
あれあれ、NさんはペアのTさんに何か言っていますよ。どうやら、「ちゃんとやれ!」と叱責しているようです。
いけませんねえ。ミスはお互いさま。1人のせいではありませんからね。
で、またまたボールがありません。
おっと、敵チームがネットを越えてボールを拾っています。これは珍しいプレーです。
Nさんは、一貫してボールを拾う姿勢を見せません。
さて、試合再開。15‐40からNさんのサーブ。これはいいリターンだ。Nさんの前に速いボールが返ってきた。あっと、Nさん、ボレーミス。これでNさんチームはサービスゲームをいきなりブレイクされました。
Nさんは、大きな声を上げて悔しがっています。
コートチェンジになりますが、Nさんは…。あっと、今度はトイレタイムです。これは相当いけません。トイレは試合前に行っておきたい。試合進行にも支障をきたします。
さて、誠に残念ながら、私どもの中継もここで時間切れとなりましたので終了させていただきます。